作品には「横方向の続編(仮)」と「縦方向の続編(仮)」がある。
(「横」「縦」は俺の表の書き方の問題でしかないので、別にそれ以外の呼び方でもいいのだが)
実際に表を書いてみよう。
番外編とかスピンオフみたいな作品は煩雑になるので除く。
とりあえず記事完成。
●ロックマンシリーズ
ロックマン1→2→3→4→5→6→7→8→9→10→11
↓
ロックマンX1→2→3→4→5→6→7→8
↓
ロックマンDASH1→2
↓
ロックマンエグゼ1→2→3→4→5→6
↓
ロックマンゼロ1→2→3→4
↓
ロックマンゼクス1→2
↓
流星のロックマン1→2→3
↓
出てない=シリーズの死、御家断絶
横方向は「前作やそのシリーズを知っている人向け」の続編。
(必ずしもナンバリングとは限らない)
よほどのバケモノコンテンツでない限りは、売り上げが下がっていくのが普通。
前作購入済みのプレイヤー全てが購入するわけではない+新規が入りにくい、というのが理由。
実際「よく知らないシリーズの新作11が●年ぶりに発売!」とか言われても買わないでしょ。
(ロックマンの場合はゲームだから、ゲームを卒業した、新しいゲーム機を持ってない、という理由もある)
縦方向は「そのシリーズをよく知らない人向け」「知らなくても楽しめる」「新規プレイヤー獲得」の続編。
●ガンダムシリーズ
初代→Ζ→ΖΖ→逆襲のシャア→F91→V・・・→∀
↓
G・・・→∀
↓
W・・・→∀
↓
X・・・→∀
↓
∀→(Gレコ)
↓
SEED→DESTINY・・・→∀
↓
00・・・→∀
↓
AGE・・・→∀
↓
ビルド→トライ→ダイバーズ→Re:RISE
↓
Gレコ
↓
鉄血
うろ覚えだけどこんな感じだったか。
この表のどこに入れていいのか分からないけど、ナイトガンダムなんかも縦方向の続編になるだろう。
(元の宇宙世紀作品を知らなくてもいいため)
F91とかVガンダムあたりはちょっと微妙で、宇宙世紀繋がりだから横の続編に入れちゃってるけど、「これってアムロやシャアを知らないと見られないのか?」と言われるとちょっと怪しい。
「GとかWとかってガンダムでやる必要があるのか?」みたいな事を言われることがあるけど、こういった縦方向の続編が出ないと、ロックマンのようにシリーズ全体が死ぬ。
既存のファンは老いて死ぬ一方なので、新規参入者を作らないと終わり。
むしろ縦方向の続編を作ってこそ、過去のシリーズのファンも増える。
たとえば「ビルドダイバーズ面白かったから、元ネタのガンダムが出てくる作品も見てみようかな」「ロックマンエグゼ面白かったから、無印ロックマンにも手を出してみようかな」みたいなの。
現状ロックマンシリーズは入口が無い状態。
生き物っぽく言うと
「横方向の続編は、同じ個体の老い」
「縦方向の続編は、子供や孫(子孫)」
●ドラゴンクエストシリーズ
DQ1→2→3
↓
DQ4→5→6
↓
DQ7
↓
DQ8
↓
・・・・・
●ファイナルファンタジーシリーズ
FF1
↓
FF2
↓
・・・・・
↓
FF9
↓
FF10→10-2
↓
・・・・・
●ポケットモンスターシリーズ
赤緑→金銀(→クリスタル)
↓
ルビーサファイア(→エメラルド)
↓
ダイヤモンドパール(→プラチナ)
↓
ブラックホワイト→ブラック2ホワイト2
↓
XY
↓
サンムーン(→ウルトラサンムーン)
↓
剣盾
無駄に長くなるのでちょっと省略。
ロックマンと違って、ナンバリング作品でも縦方向の続編になることがある。
内容的に特につながってないから。
ライダーとか戦隊とかプリキュアとかも毎年リセットされるから縦方向の続編と判断して良い。
●ブロリー
DB旧ブロリー→DB新ブロリー
旧ブロリーって金ぴかの厨二感あるデザインだったのに、
新ブロリーは地味なアーマーに変わっている。
豊臣秀吉から千利休みたいなセンスに変わっているのだ。
で、しばらく新ブロリーのデザイン見てて思ったんだけど、もしかして視聴者みんな老いた?
鳥山明が老人のセンスになってるのは前から分かっていた。
(センスが良いとか悪いとか劣化とかの話とは根本的に違う。センスがおじいちゃんになっている。盆栽とか、詫び寂びの世界みたいな)
しかし製作者だけじゃなくて視聴者も老いているのか。
少年漫画やアニメって一般的に製作者の方が年上で、読者・視聴者の方が年下でしょ。
製作者は老い、視聴者は成長していた。
作者が老い始めるころ読者はまだ人生のピークなわけで、どうしても作者が劣化したなと感じてしまう。
ところがコンテンツが長期化したことで、視聴者も老い始めてきているのではないか?
視聴者も老いることで、製作者の老いを理解し、追いかけることができるようになるのだ。
老人ファン向けのグッズ自体は前からあるだろうけど(老眼鏡とか杖とか)、それは単に老人向けグッズが出ているだけであって、作品自体に「視聴者の老い」が反映されているわけではない。
コンテンツ作りが横方向に長期化することによって、視聴者の老いを考慮した作品作りが必要になってきているのではないか。
●キングダムハーツ
KH1→2→3
俺が気になってるのはこれ。
発売日でプレイヤーの成長や老いを考慮してみよう。
KH1 2002/03/28
KH2 2005/12/22 +3年9か月
KH3 2019/01/25 +13年1か月
KH1をプレイしたのが中2(14歳)だとする。ならば、
KH2の対象年齢は17歳9か月、
KH3の対象年齢は30歳10か月でないとおかしいはず。
プレイし始めたのが小1(7歳)だとしても、23歳10か月になっている。
これって視聴者の成長や老いを考慮しているのか?
野村哲也は永遠に厨二病が完治しないのかもしれないけど、普通の厨二病プレイヤーは30歳10か月になったらさすがに治ってるし、ゲームや映像を見る目も成長し厳しくなっている。
続編出すのにこんなに間を空けたらまずいのでは?
(Amazonのレビューを読んでいると、単に内容がガバガバでつまらないだけじゃなくて、プレイヤーが成長してしまったんじゃないかなと思ってしまうレビューもちらほらある)
(漫画のドラゴンボールですら10年半で完結している)
子供の頃であれば話が完結しなくても「ソラの冒険はまだまだ続くんだ! 楽しみだな!」で済むけど、大人になったら「いつまでやってるんだ。もう終わらせてくれ」って思っちゃうんで。
若いプレイヤーだと分からないだろうけど、適度なところで綺麗に終わってくれるのって物凄くありがたいんだよね。
3を出し惜しみして番外編で小銭稼ぎするより、プレイヤーがいい大人になる前にソラのシリーズをさっさと完結させて、新しいキングダムハーツを出すべきだったと思うね。もう遅いけど。
ちょっと話はそれるが
●強引な完結法、そのシリーズを意図的に殺して終わらせる
シンデレラ1→2
リトルマーメイド1→2
など
最近のディズニーはスターウォーズが糞だと話題らしい。
トイストーリーが名作だったからみんな勘違いしてると思うが、ディズニーは元々大した続編を作らない。
(シンデレラは3も出ているようだ。見てないので語れないが)
このあえてちょっと微妙な作品を作って終わらせることを、「ディズニーの活〆(いけじめ)」と俺は呼んでいる。
活〆とはウィキペディアによると
>活魚を麻痺させて素早く脳死状態とした後にさらに血抜きをし、鮮度を保つ方法
なまじ続編を作れる余地を残した結果、全然関係ないやつに極端な糞作品を作られるよりは、「2はつまらないと言えなくもないけど、まあ蛇足かな」程度に仕上げて活〆しておいた方が(意図的に殺しておいて、誰かが続編を作る意欲を削いでおいた方が)、ファンとしては安心なのかもしれない。
生かして泳がせておくんじゃなくて、あえて殺す。
殺すことで鮮度を保ち、腐らないようにする。
生きていれば次の個体を生むこともある。
ただ次の個体が変な死に方をするリスクもある。
ならば活〆で殺しておけば、それ以上は腐らない。
『けいおん!』の大学生編も結果的に活〆になってる?
作者はもっと続けたかった?
逆転裁判1→2→3→4・・・
これは活〆ではなく、意図的に殺したタイプ。
涼宮ハルヒの憂鬱
これは殺せなかったシリーズ。
前も書いたけど、涼宮ハルヒは憂鬱で完結してるから。それで終わり。
学園祭とかの話は本編完結後の小話みたいなもんだから。
出版社によって延命されてしまったシリーズ。もう死なせてやれ。
で、話はガンダムに戻る。
前から書いてるけど、ガンダムって厨二少年の世直し無双みたいな番組なわけ。
俺が悪いんじゃない! 世界が悪いんだ!
俺が正しい! 大人やこの世界が間違ってる!
(ガンダムだけじゃなくて、たぶんエヴァもそう)
●富野のガンダムと厨二性について
初代→Ζ→逆襲のシャア→F91→クロスボーン→V→∀→Gレコ
こんな感じ?
VとGレコ見てないし、クロスボーンの漫画も読んでないんだけど。
初代で冴えない天パが無双
Ζでキレまくって大人殴って
逆シャアでいつまでも子供じみたこと言ってる金髪イケメンに説教
逆シャアあたりで既に富野の厨二性が鳴りを潜めたというか、なんか富野自体がちょっと大人になってしまっている?
ニューガンダムも色が黒と白で、渋めの大人のガンダムになっているというか。
厨二少年が厨二を卒業し始めるころに丁度良いガンダムっていうか。
V、∀、Gレコなんかも、あまり尖ってない丸めのデザインが多いかな、なんて思う(富野の意向が入っているのか、単にバンダイが勝手にやってるのか分からないけど)。
これは製作者である富野の精神的成長、または老いね。
(ここで言っているのは、単にアムロが成長して大人になってるとか、プリキュアが最終回で大人になってるとか、孫悟空が大人になってるとか、そういうことではない。アムロやカミーユを作っていた厨二富野が、ロランのような主人公を作ってしまうという、精神面での変化の事を言っているのである)
1941 富野誕生
1979 初代アニメ化 約38歳
1985 Zガンダムアニメ化 約44歳
1988 逆襲のシャア映画化 約47歳
1991 F91映画化 約50歳
1993 Vガンダムアニメ化 約52歳
1994 クロスボーン連載 約53歳
1999 ∀ガンダムアニメ化 約58歳
2014 Gレコアニメ化 約73歳
(年齢は誕生日や放送開始日を考慮してないので大体)
38でアムロ、44でカミーユって、こいつすげーな。
47の逆シャアでやや大人になってる。
今富野の精神はどのへんにいるのか?
そして視聴者の精神は富野の成長・老いにどこまで追い付いているのか?
俺たちは何歳くらいになったときにどのガンダムを見るとちょうどいいのか?
いつまでも厨二を卒業できない視聴者は、一生富野も逆シャア以降のガンダムも理解できないだろう。
(単に見て面白いとか筋が分かるとかではなくて、その作品が持つ精神的な部分を理解できない)
●ガンダムXについて
そういう意味ではガンダムXは作らない方がよかったんじゃないかな、と思う。
(俺が一番好きなガンダムなんだけど)
ガンダムXってアンチガンダムというか、アンチ厨二、アンチニュータイプみたいな部分があって、いずれ視聴者が精神的に成長して老いて厨二を卒業して、本来宇宙世紀内でたどり着くべき最終到達点みたいな内容を、宇宙世紀以外で勝手にやっちゃったのではないかと思う。
横方向の続編として宇宙世紀で視聴者が富野と共に成長して老いてたどり着くべきゴールなのに、縦方向の続編として別のガンダムとして出してしまったのではないか。
これはちょっとまずいやり方な気がする。
しかもこれ監督が富野じゃないし。
冴えないメカオタクの俺がガンダムで無双して、実はニュータイプっていう世界を変えられる超人で、キレて情けない大人を殴って説教して、金髪巨乳のチャンネー抱いてて、才能はあるのに飼い殺しみたいにされてて、理想ばっかり語って勝手に絶望してる金髪イケメンに説教して、(俺以外の)人類は愚かでいつまでも戦争を繰り返してる!っていう厨二少年の話なのに、富野以外が「ニュータイプとか幻想だから」って冷や水ぶっかけたら、そらみんな怒るよ。
(ここで言ってるのは「ニュータイプ」という言葉がアニメ内でどう語られているか? どう設定されているか? ということではない。厨二設定ニュータイプが当時の厨二少年に何故ウケたのか?っていうアニメの構造の話をしている)
(宇宙世紀に思い入れがあって客観視できない人は、ガンダムSEEDやエヴァに置き換えて考えてみるといいかも)
プリキュアが好きな人は逆シャア以降の厨二感の薄まるガンダムの方がハマると思う。
個人的にツイッターでプリキュア関連のフォロワー見てる感じだと、クロスボーン、V、∀あたり。
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